はじめに
今回は、電熱式の電気調理器「トラベルマルチクッカー」をご紹介。トラベルマルチクッカーは火を使わないため、車内や火気厳禁の場所でも料理ができる優れもの。主に車中泊で使用している筆者が、トラベルマルチクッカーの魅力をたっぷりお伝えしていきます。
トラベルマルチクッカーのスペックをチェック
鍋サイズ :幅155mm×高さ78mm×奥行148mm
満水容量 :約1.3ℓ
ヒーター寸法:幅128mm×高さ68mm×奥行128mm
コード長 :約1m
電圧 :100~130V、220~240V
消費電力
・100~130V:250W
・220~240V:360W
ヤザワコーポレーションから発売されている「トラベルマルチクッカー」は、電熱式の電気調理器。ヒーターとアルミ鍋に加え、どんぶり・ふた・スプーン&フォーク・不織布収納袋がついてきます。
トラベルマルチクッカーのなべ底は円形にくぼんでおり、このくぼみがヒーターにぴったりフィットする設計。
このくぼみのおかげで、調理中の安定感は抜群。ふとした瞬間に取っ手に触れてしまっても、中身がこぼれる心配が少ないのは嬉しいですね!
トラベルマルチクッカーは、すべての付属品を鍋の中に収納できることが特徴です。
収納は、鍋の中にどんぶりと逆さまにしたヒーターを入れ、スプーン&フォークをセットし、蓋をすれば完了。取っ手を折りたたみ、収納袋に入れればコンパクトになるので、キャンプや車中泊にも気軽に持ち出せます。トラベルマルチクッカーという名前の通り、旅行にも持っていけるサイズ感が嬉しいですね!
なお、現在販売されているモデルは「TVR70BK」という型番のもの。インターネット上で検索すると「TVR21BK」という型番の製品も出てきますが、ヤザワコーポレーションのホームページを確認すると、TVR21BKはすでに販売終了となっています。
筆者は古い型を使用していますが、どちらの型番も機能に大きな変わりはないようです。古い型のレビューとなりますが、新しい型のものを購入予定の人にも参考になる内容になっているので、ぜひご覧ください!
トラベルマルチクッカーのおすすめポイント
茹でる・煮込む・炊くといった料理を楽しめる
トラベルマルチクッカーは、茹でる・煮込む・炊くといった料理に向いている調理器。特に、鍋は袋麺がピッタリ入るサイズなので、ラーメンを作るにはうってつけです。
袋麺以外のレトルト食品では、レトルトカレーやパスタソースを温めることも可能。ただし、通常サイズのパックご飯は鍋からはみ出てしまいます。
パックご飯を調理したい人は、小さめサイズのパックご飯がおすすめ。もしくは、パックからご飯を出して雑炊やリゾットを作るという方法もアリですよ。
車内やテント内でも使える
トラベルマルチクッカーは火を使わない調理器なので、車内やテント内でも安全に使用できます。
アウトドアでの熱源には、ガスバーナーやアルコールバーナーなどがありますが、屋内で使用する場合には一酸化炭素中毒の危険性が考えられます。換気を行えば使用できますが、万が一ガスバーナーが倒れてしまった場合、テントが損傷してしまう可能性も。
また、道の駅など、火気厳禁の場所で車中泊をする場合には、ガスバーナーやアルコールバーナーは使用できません。
このような場合でも、トラベルマルチクッカーであれば、問題なく使用できますよ。
ただし、トラベルマルチクッカーを使うには、ポータブル電源を用意する必要があります。ポータブル電源を選ぶときに注意したい点は「定格出力」です。
定格出力が使用したい電化製品の消費電力を下回っている、または同等の数値だと、機器が作動しなかったり、複数機器を同時に使用すると停止してしまったりといったトラブルにつながります。トラベルマルチクッカーの消費電力は250Wなので、300W以上の定格出力のポータブル電源であれば、安心して使用できますよ。
シェラカップやマグカップも使用できる
すでにお伝えしましたが、トラベルマルチクッカーは電熱式の電気調理器。ヒーター自体が温まるため、シェラカップや加熱が可能なマグカップも使用できます。
筆者が試したところ、シェラカップで200mlの水が沸騰するまでに約7分かかりました。ガスバーナーと比較すると時間はかかりますが、付属の鍋だけでなく、シェラカップなどでも使える汎用性は嬉しいですね!
自動停止装置が内蔵
トラベルマルチクッカーには、温度が異常に上昇した場合に作動する自動停止装置が内蔵されています。
空焚きをしてしまったときや、電圧スイッチの設定が誤っているときなどに自動で停止してくれるので、本体の故障を未然に防いでくれる嬉しい機能。
インターネット上には「調理中にも作動してしまうから不便!」という口コミも見かけます。筆者の経験では、ラーメンを作るときなど、長時間作動しているときに自動停止装置が稼働することがありました。ただ、数分後には再稼働するので、今までのところは大きな影響なく使用できています。
変圧器不要で海外でも使用できる
トラベルマルチクッカーには電圧切り替えスイッチが付いており、マイナスドライバーや小銭を使用して切り替えることができます。
電圧は100~130Vか、220~240Vに切り替えが可能。購入時には220~240Vに設定されていることが多いようです。日本国内は100Vの電圧が流れているので、100~130Vに合わせてから使用しましょう。
海外旅行で使用する場合は、各国の電圧に合わせてスイッチを切り替えてくださいね。
トラベルマルチクッカーでの炊飯方法
トラベルマルチクッカーは炊飯もできます。ただ、炊飯時間について、説明書には25分と書かれているのみです。また、25分間炊飯すると、なべ底にご飯がこびりついてしまうことも。
私が何度も炊飯をした結果、トラベルマルチクッカーでの炊飯時間は、次のように落ち着きました。
0.75合:15~16分
1合 :19~20分
これ以上の時間炊き続けると、ご飯が焦げてなべ底にこびりついてしまいます。上記の時間炊いたあとに、5分~10分ほど蒸らすと、こびりつかず、美味しいご飯が炊きあがりますよ。
また、こびりつかない炊飯方法はもう1つあります。それは、クッキングシートを敷いて炊飯する方法です。
クッキングシートは、水分は通しますが、鍋にご飯がこびりついて汚れることはありません。
ちなみにこの炊飯方法は、防災の豆知識として警視庁のツイッターで紹介されています。災害時に余計な洗い物を出さず、節水につながる方法なので、覚えておいて損はありませんよ。
トラベルマルチクッカーの気になる点
炒め物には向かない
トラベルマルチクッカーには熱量調整のつまみなどは付いておらず、電源につなげると同時にスイッチが入ります。スイッチが入ったあとにすぐに高温なるわけではないため、お湯を沸かしたり食品を温めたりするのには時間がかかります。また、トラベルマルチクッカーの加熱力はあまり強くありません。
例えば、袋麺(ラーメン)を作る場合は、筆者の実測で15分ほどかかりました。そのため、炒め物を作りたい人や、急いで料理を作りたいときには向いていません。
軽量ではない
トラベルマルチクッカーは、鍋の中にヒーターやどんぶりをすべて収納できるのでコンパクトにはなりますが、軽量とは言えません。筆者が実測したところ、付属品すべて合わせた重量は986gでした。
また、滞在先のホテルや電源付きサイトなどで使用する場合を除けば、ポータブル電源も用意する必要があります。そのため、ツーリングキャンプなど、荷物を減らして身軽に行動したい人には向いていません。
まとめ
今回は、電熱式の電気調理器「トラベルマルチクッカー」をご紹介しました。
茹でる・煮込む・炊くといった料理を楽しめるトラベルマルチクッカー。
車中泊やテント内でも使える熱源を探している人は、今回の記事を参考に、トラベルマルチクッカーを検討してみてはいかがでしょうか。