はじめに
見渡す限り真っ白な雪の世界。冷えきって澄んだ空気と、雪の中に佇むテント。今年も冬キャンプの時期が到来です。みなさん冬支度は進んでいますか?
我が家はキャンプ歴8年、冬キャンプは5年目。冬キャンプに至ってはまだまだ駆け出し模索中です。私は極度の寒がりなので、最初の頃は北海道の寒さと雪に恐れ、冬キャンプはせずにじっと春を待ちわびてました。徐々に装備を増やし、ついに冬のデイキャンプからスタート。そしてのちに冬キャンプデビューを果たしました。
毎年少しずつ冬キャンプにも慣れ、去年は電源サイトから電源無し炊事場無しのサイトまで、今までよりも多く冬キャンプを経験しました。今回はそんな去年の体験の一部を元に、北海道での冬キャンプを振り返っていきたいと思います(^^)
我が家の冬キャンプは基本、幕内お座敷おこもりキャンプ。
- 「ノルディスク・ユドゥン5.5」
- 「スプリングバー・カーカムス トラベラー5」
- 「ヒルバーグ・アラック3」
この3幕、4ヶ所のキャンプ場での冬キャンプ体験です。
電源無しフリーサイト+ユドゥン5.5
- キャンプ場 : ファミリーパーク追分 オートキャンプ場 (12月)
- テント: ノルディスク・ユドゥン5.5
- 暖房 : フジカハイペット、イワタニ風暖
- 自己冬キャン難易度レベル : ★★★☆☆ 星3
まだ雪は少なく、うっすらと雪が積もる12月。冬キャンプを始めた当初からデイキャンでよくお世話になっていた民営のオートキャンプ場です。
««低料金で予約不要、広いフリーサイトでソーシャルディスタンスも守られ、張る場所も自由に選べます。冬場のトイレと炊事場は1ヶ所。水道は水のみ。トイレの中に炊事場が間借りしてる形です。ドックフリーサイトもあります。»»
この時は夫婦2人で。電源を使える場所もありますが張る場所が限られるため、見晴らしの良い所で電源無しにしました。電源無しの時点で寒がりな私の難易度レベルは星3です…。ちなみに周りのキャンパーさんは北海道であろうと真冬であろうとバリバリ電源なしでキャンプされています(^^;)
テントは2人なので小ぶりなユドゥン5.5。コットン素材で結露の心配もなく、冬キャンプにも安心して使用できます。
ユドゥンの時ストーブはフジカを選択。冬場はフジカだけでは反対側の入口が寒い時があるため、時々イワタニ風暖も使用します。
この風暖は性能もピカイチで、温風が出るんです。電気のセラミックファンヒーターのカセットガスバージョンと言うところでしょうか?電源のないところでもカセットガス1本で温風が出て暖かい。燃料的には風暖をつけたままにすると割高になってしまうと思いますが、メインストーブのサブとして使用するため付けたり消したり。この程度だと燃費も全く気にしません。
ストーブはこの2台のおかげで暖かく過ごすことができました。石油ストーブ、カセットガスストーブは共に換気が必須。一酸化炭素チェッカーも併用して安全に過ごすことが大切です。以前はサーキュレーターを回し、換気もしながら就寝時ストーブを付けたままだったのですが、安全面を考えこの冬からストーブは消すようになりました。
幕内はアルミシート、ラグ、ムートンを敷いて地面からの冷えを和らげたり、ポータブル電源で電気敷毛布を使用。やはりポータブル電源も欠かせないギアの1つです。ポータブル電源はまた後ほど紹介します(^^)
食事に関して冬季間は、身体の温まる鍋やおでん率が高め。翌日の朝食もラーメンやうどんを足して、鍋1つで済むようにしています。他にはインスタントを選んだり極力調理せず、あまり炊事場に行かずに済むものにしています。
〈冬キャンプ ポイントアイテム〉
エコキッチンクリーナー
炊事場への回数を減らしたい時に役立つのがこのエコキッチンクリーナー。スプレーをしてキッチンペーパーなどでサッと拭き取るだけでお皿が綺麗になります。コロナ禍で極力人との接触を控えるのにもエコキッチンクリーナーがかなり使えると実感しました!
ちなみにあまりにお皿が汚れている場合や撤収日の朝食後は軽く拭き取ってからそのまま持ち帰って家のキッチンで洗います。自宅ではゆっくりお湯で洗えることに感謝。油汚れもよく落ちます。そのためにもシェラカップやお皿は多めに持ち歩いています(^^)
電源付きオートサイト+トラベラー5 ①
- キャンプ場 : オートリゾート苫小牧アルテン (12月31日~1月1日)
- テント: カーカムス トラベラー5
- 暖房 : ギアミッション、ホットカーペット、電気セラミックファンヒーター
- 自己冬キャン難易度レベル : ★★☆☆☆ 星2
続いて、こちらは道民なら知る人ぞ知る高規格キャンプ場、「苫小牧アルテン」。
««初めて冬キャンプをしたのもアルテンで、それからは何度もお世話になっているキャンプ場。立派なセンターハウスが出迎えてくれて、コテージやバンガロー、電源サイトもあり、近くに温泉もあるキャンプ場です。センターハウスはとても広くWiFiも使用可、トイレ、炊事場もポカポカです。炊事場はお湯が出ます。
広いキャンプ場なので夏場は外の各場所にトイレと炊事場がありますが、冬場はセンターハウス内の1ヶ所に集結されます。
11月からの冬季間はサイト料が50%OFF、コテージなどは30%OFFになるのも嬉しいところ。JAF会員の割引もあります。
冬は地面が固く、ペグが刺さりにくい時があるので注意!»»
外には大きな温度計があるため、外気温を確認できるのもお気に入り。外は-15℃を下回っていました。冬場はトイレと炊事場帰りにこの温度計を確認するのがお決まりです(^^)
このときは年越しキャンプ、安心安全の電源付きオートサイトです。テントはスプリングバーのトラベラー5。こちらも結露と無縁のコットンテント。
友達のクラシックジャックを並べて。気心知れた友達家族と楽しい年越しをしました。
幕内にはフジカより大きなトヨトミのギアミッションとホットカーペットで完全おこもりキャンプ。ホットカーペットの暖かさは神の域です。念のため、電気ストーブも持参していきました。
幕内はテーブルに毛布を掛けた、「なんちゃってコタツ」。ホットカーペットがかなり暖かいので毛布を掛けただけでも暖かさがこもりますよ。就寝時はストーブを消してもホットカーペットを付けたままにできるので幸せです。
〈冬キャンプ ポイントアイテム〉
帽子、手袋、厚手の靴下
この時思ったのは、この当たり前とも思える3点の必要性。幕内は設営が完了して中にこもってしまえば暖かいのですが、設営、撤収時はラグや銀マットなどがない状態で靴を脱ぐと、直に地面からの冷気が伝わり足の裏が冷たい!外は手が冷たい!耳や頭が寒ーい!!
トイレに行く際や、控えているとはいえ最低1~2度は行く炊事場からの帰り道は、濡れた鍋やお皿を持った手が凍る…( °_° )管理棟まで距離があると、冬の風は身に染みる冷たさです。身体を冷やさないよう外に出る際は帽子をかぶり、手袋はすぐに履けるようポケットに入れておくことを学びました。
電源付きオートサイト+トラベラー5 ②
- キャンプ場 : 恵庭メイプルキャンプ場 (1月)
- テント: カーカムス トラベラー5
- 暖房 : ギアミッション、ホットカーペット、電気セラミックファンヒーター
- 自己冬キャン難易度レベル : ★☆☆☆☆ 星1
お次はテント、暖房器具は一緒ですが違うキャンプ場へ。こちらは恵庭の「メイプルキャンプ場」です。
««元パークゴルフ場からキャンプ場に変貌を遂げました。ひと冬の間で何度もお邪魔したのですが、管理棟が改装中で行く度にどんどんオシャレに進化して行くのを目の当たりにしました。
大きなかまくらもあり、中にチェアを持って行きくつろいでみたり、ソリの貸し出しもあり、娘もとても楽しんでいました(今季はどうかな?)。
管理棟ではジョッキビールやコーヒーも飲めちゃいます。
こちらも炊事場、トイレ共に暖房があり暖かいです。炊事場はお湯も出ます。管理棟付近はWiFi有り。»»
この日の最低気温なんと-20℃。朝、冷えすぎてトイレのドアに手がくっつく現象。鼻毛が凍るとは正にこのこと(笑)。起床時の外はこのような感じでした。
この日も電源サイトでホットカーペット使用+ギアミッションの安定おこもりキャンプで幕内は30℃越え。中は暑いんです…。
外は-20℃、幕内+30℃以上。幕内外の寒暖差なんと50℃でした。テント生地たった1枚に守られてる素晴らしさ(TT)
電源サイトから炊事場、トイレは近いため、冬の風を浴びることなく前回より寒さは感じませんでした。身に感じる寒さとは外気温だけじゃなく環境によって変わるのだなと思いました。
〈冬キャンプ ポイントアイテム〉
USB充電式加湿器
ここでUSB充電式加湿器を初導入。幕内はストーブで乾燥し、喉が痛くなりがちです。フジカのときはケトルを置くのですが、ギアミッションのときは威力が強く、ケトルのお湯がすぐに蒸発してしまい空焚きの心配があります。加湿器を置いたことで安心に乾燥が軽減し、より快適になりました(^^)
また焚き火の際は火の粉で服や靴の穴が開かないよう気をつけましょう。冬のダウンやブーツの穴はショックが大きいです(こちらも経験ありTT)
電源無し+炊事場無し+アラック3
- キャンプ場 : かみふらのフラワーパーク (3月)
- テント: ヒルバーグ アラック3
- 暖房 : イワタニ風暖
- 自己冬キャン難易度レベル : ★★★★★ 星5
十勝岳連峰を一望出来る「かみふらのフラワーパーク」。
««ここは夏は一面に広がる花畑。雪の積もった広い花畑の上にお邪魔している形になります。元々キャンプ場ではないため、炊事場はなし。もちろん電源無し。冬季のみのキャンプ場です。風が強い日もあり、上級者向け。
トイレがサイトから遠いのも難点でしたが、今季は駐車場近くのトイレが使用できるそうです。
地面は雪深く、通常のペグは効きません。装備を見直し、竹ペグなど冬のペグも用意しておきましょう。
»»
いつもぬくぬくなキャンプをしている私には試練のキャンプ。この時は夫婦2人で挑戦することにして、テントは軽量かつ強風にも耐えうる総重量3.7kgのヒルバーグアラック3を選びました。
着いた時は丁度撤収の方々と入れ替わり。偶然にもヒルバーグ幕のキャンパーさんがたくさんいました。
まずは雪を踏み固めるところからスタート。見晴らしの良い場所に設営するためには、駐車場から離れてしまいます。ソリを持参したのですが…ひっくり返る(T^T)突然膝まで足が埋まる。ソリがひっくり返る。また埋まる。の繰り返し。諦めて手で運び、それでもズボズボと埋まりながらやはり軽量化してきて良かったと実感…。何度も往復するうちに自分の足跡の道が出来ていました(所々落とし穴状態)。
テントをアラック3にしたことにより、1番の問題は石油ストーブを置けないこと。最初に出てきたサブストーブのイワタニ風暖がメインストーブです。カセットガスの難点は寒すぎると点火しないこと…正直不安。点火しなかった時のため寒くても使えるパワーガスも持参しました。(積雪はありますが3月だったこともあり、実際はいつものカセットガスで大丈夫でした!)座って手を伸ばせばなんでも届く狭い幕内は、風暖でも十分暖まり安心しました。
炊事場は無いため、食事も1食1食確実に食べ切れるものを。飲み物用のクーラーボックスはいらず、天然の雪の冷蔵庫です。食材用のソフトクーラーだけ持参しました。
天気は初日だけ晴れ予報。青空にも恵まれ、綺麗な十勝岳連峰と夜景を見渡すことができました。これが見たかったー!
しかし、星空を見ることなく夜に天気は一変。悪天候に撤収していくキャンパーさんも。
幕内にこもり強風に煽られ、ランタンが激しく揺れ続ける夜を明かしました。この点でもアラックの安心感。以前何度も強風に耐え抜いてきたのでテントへの心配はありませんでした。
翌朝。なんだかすごい所にいるなぁ…と思いつつ、周りの同じ境遇の方々を見渡すのでした(^^;)撤収時も強風で遭難気分でしたが、無事撤収し、貴重な体験に帰りの車では安堵したのでした。
〈冬キャンプ ポイントアイテム〉
powerarq mini
電源無し、灯油ストーブなし、焚き火せず。となると、頼るものはポータブル電源。電気毛布が使えるのはありがたいこと。
我が家はminiを2台持ちで出力は200wです。使える器具は限られてきますが、電気毛布は使用できます!
1年を通してポータブル電源は大活躍しています。
ホッカイロ
あとはもうこれに頼るしかありません…笑。
冬キャンプを始めるまでホッカイロは使うことがなかったのですが、ホッカイロは本当に温かい。寒がりな私は冬キャンプや春秋キャンプの夜も、常に腰にホッカイロを貼っています。ヒートテックも上下必須。今年は湯たんぽを試してみたいです。
…しかしながら私の主人はホッカイロを貼るどころかヒートテックを着ることもまずありません。同じ人間でも寒さに対してここまで感じ方が違うものかと驚きます…笑。
まとめ
以上、冬キャンプの体験いかがだったでしょうか。
冬キャンプは1歩踏み出すのに勇気が入りますが、テントに見合ったストーブをメインに、ホットカーペットや電気毛布、サブストーブなどの補助暖房になるものを使用することで冬でも快適に過ごせるものです。
寒がりな方でも身体を冷やさないようにすることで冬キャンプのハードルは下がります。我が家も快適な冬キャンに向けてまだまだ模索中です!
みなさんも安全面に気をつけながら、暖かく楽しい冬キャンプを過ごしてくださいね。最高の「非日常」を味わえるかもしれません(^^)