はじめに
数年前、なんでも器用にこなす友人に「なぜそんなことが出来るのか?」聞いたところ「溢れる情報に踊らされず、最低限の知識だけ頭に入れて取りかかるのが良い」というアドバイスをもらいました。
詳しく知ろうと思い、色々と調べ上げてしまうと、かえって難しく感じてしまい、自分で勝手にハードルを上げてしまうという意味だと思います。
頭の片隅に残っていたそんなアドバイスを引っ張り出し、今回は初めてのレザークラフト(手縫い)に挑戦してみたいと思います。そもそもレザークラフトどころか、裁縫やDIYも素人なので、最低限の知識と道具を用意して軽い気持ちで製作してみることにしました。
今回挑戦するのは、これまで何度か製作工程を紹介してきたフォールディング(折込式)ナイフキット It’s my knife folding style 初級編を入れるためのナイフケースです。
それでは早速、フォールディングナイフ レザーケースの製作工程を紹介していきましょう。
工具・材料・部品選び
0からのスタートですので、まずはレザークラフトを行う上で必要な工具及びナイフケース製作に必要な素材や部品を揃えるところからスタートしました。
今回そろえたモノは
- 手縫いをはじめよう 革手縫い工具基本7点セット
- ゴムハンマー
- ハトメ抜き
- 打台
- 打ち具
- ジャンパーホック
- ハギレ革
です。基本セットが約3000円程しましたが、ハギレ革は一番小さいサイズで350円程でした。ハトメ抜き〜打ち具までは留め金具を付ける際の工具です。
これで手縫いの際に使用する最低限の工具は揃ったので、次回以降は素材となる革さえ用意すれば、レザークラフトが楽しめる状態になりました。
製作開始
こちらが今回使用する革です。牛革で色はキャメルです。まずは台紙を使ってイメージを組み立てていきます。
革と同じサイズにした台紙をパーツごとに切り分けてノリで貼り付けます。
イメージとしてはこのようなケースにし、ベルト通しは裏にボタンを付けるので、ハンギングチェーンやキッチンカウンターなどにも取り付けられるようにしました。
本当は蓋を付けたり、ベルト通しまで1枚革で作成したかったのですが、購入した革のサイズが小さかったので諦めました。
ここから先は、基本セット内に記載されていた「革の手縫いの仕方」を参考に製作を進めていきます。
まず、台紙に合わせて革をカッターで裁断します。
その後2本菱目打を使って縫いしろの線を引きます。
張り合わせる箇所に接着剤を塗り、貼り合わせます。
ゴム板の上で4本菱目打とハンマーを使って穴を開けていきます。
テレビなどで見たことのある革職人になった気持ちになりますね。
スムース糸の両端に針をセットし、縫い始めます。
なるべく縫い目が綺麗になるように気をつけましたが凸凹です。
反対側も同様に縫っていきます。針を抜く際に結構力がいりました。
縫い終わりましたらほどけないように縫い終わりの処理をします。
ここまでおおよそ45分くらいです。
仕上がりはともかく、2本直線で縫うだけなので簡単に出来ました。
縫いしろを不要なところにも引いてしまっていたことに気がつきましたが、どうしようもないので模様ということにしました。
一旦ナイフを入れてみましたが、イメージ通りのサイズ感で入っています。
次に打ち具などを使用し、ベルト通しの両端にジャンパーホックを付けていきます。
ベルト通しを縫い付ける箇所の表面を少し削り、接着剤で仮止めします。
しっかりと縫いつけたら完成です。
縫い目のガタガタ感は否めないですが、イメージ通りの仕上がりになりました。
フォールディングナイフを収納してみました。
キツさも丁度よく、蓋がないからといって飛び出すことはなさそうですが、使用を続けるうちにゆるくなってくるかもしれません。
気づいたこと
今回製作したナイフケースは、直線縫いのみのとても単純な設計だったので、スムーズに作業することが出来ました。初めて挑戦するには丁度良いサイズ感と難易度だったのではないかと思います。
ベルト通しの接着箇所や、ベルト通し自体が幅が狭いので、補強しないと使っているうちに取れたり千切れたりしてしまいそうな気がします。
ケース上部の革の裏側が見えている箇所が切りっぱなしなので、もう少し良い感じに仕上げる方法がありそうだと思いました。
さいごに
いかがでしたか?今回は初めてのレザークラフト挑戦ということで、フォールディングナイフのレザーケースを製作してみました。
製作時間は、90分程で縫う箇所も少なかったので、疲れず飽きずに楽しみながら出来ました。また小さい作品なので、ガタガタの縫い目もそこまでは目立たず、遠目から見ると良い感じに仕上がっている感じがします。
冒頭で説明した通り、あまり多くの知識を詰め込まずに挑戦してみましたが、工具の使い方と基本的な縫い方がわかれば、楽しみながら挑戦できることがわかりました。また、完成した作品を実際にフィールドで使ってみる楽しみも増えました。
今後さらにレザークラフトに挑戦していく際に、便利な工具を増やしたり、革に関することや縫い方・手法に関する知識を付けていければ良いかなと思います。