はじめに
山ガールと呼ばれたくない日々野鮎美さん(27歳 会社員。自称単独登山女子)が、ひたすら山をのぼり、そして山めしを頬張る、時々オフィスでも山めしを食べてしまう漫画・・それが「山と食欲と私」です。
同じアウトドアとはいえ、キャンプと登山では楽しみ方が違うところはありますが、限られた荷物を運ぶという制限の中で考えられた省スペースなお手軽料理の数々は、キャンプメインの方にも参考になること間違いなしです!
登山に行きたくさせる描写の数々
ベストコンディションは息が切れる少し手前
あぁ・・・もう止められない 快感!
朝ごはんで貯えたカロリーをどんどんエネルギーに変えて燃やしていく!
1巻の出だしのセリフをいくつか抜粋しました。
この「自分の中でエネルギーが生まれる感覚」は、惹かれるものがありませんか?
むしょうに山にいきたい
今すぐ
独りで
こう考えているとき襲ってくるのは私、人間関係から逃げてる?
主人公の中にある登山に関する想いの一部です。主人公にとって、都会の中で人間関係を良好にするために、人混みの中で麻痺してしまった感覚を取り戻す大切な時間、それが登山なのです。
いやいや「ひま」でいいんですよ
「ひま」っていうのは最高の贅沢なんです
主人公が思わず「ひまだなぁ」と言ってしまった後のセリフです。この「ひま」ですが、日常の中で感じるのは今は難しい時代ですよね。
キャンプと登山では、運動量こそ違いますが、「孤独」を愛する感覚や、「ひま」を大切にする気持ちは通じるところがあると思いました。
お手軽なのに香りまで感じさせる料理たち
運べる荷物が限られているため、どれもシングルバーナーとクッカーでできるお手軽さですが、その魅力は決してお手軽なものではありません。その魅力のほんの一部を紹介します。
水戻しパスタを使った、ホワイトシチューパスタ
1巻で登場します。
・水戻しパスタ(乾麺を水につけて戻しておくことで湯で時間を短縮できるテクニック)
・下茹でしてきた具材とシチューのルーを加えるだけ!
「メスティン」で炊いたご飯で作る、豪快オイルサーディン丼
1巻で登場します。
・メスティンでご飯を炊きます。
・オイルサーディンの缶詰をどーん!
ご飯を炊くための自作の歌まで飛び出します。
フライドポテトのホットサンド
2巻で登場します。
・ホットサンドメーカーにざく切りした男爵いもをのせて炒める
・食パンに、トマト、ベーコン、チーズ、炒めた男爵いもを挟んで、ぎゅぎゅっと押しつぶして焼く!
どれも美味しそうですよね・・!
作品中では、これらの料理をとても楽しそうに作っているので、見ていてこちらも楽しくなります。ぜひ作品を読んでみてください!
おわりに
ただのギャグ漫画ではなく、山で会う人たちの優しさや、自然の厳しさも盛り込まれた良い作品だと思います。
キャンプとはひと味ちがうアウトドアの楽しみ方を知ることができるのではないでしょうか。