はじめに
TENTALにて好評レンタル中のキャンピングカー「MYSミスティック Matias」をご利用いただいたユーザー様より、年越しキャンプ&登山記を寄稿いただきました。父子旅ならではのガサツさと絆。自然の厳しさと雄大さ。それとラーメンの偉大さ。是非ご覧ください。
旅の目的
今回の旅のメンバーは大人3名。子供3名(中学生男子)。目的はズバリ、中学生男子に試練を与える旅とした。重い荷物と寒さという2つの肉体的試練を与え、褒美は綺麗なご来光と美味しい食事だ。とは言っても、ご来光は綺麗に見られる保障はどこにも無いのだが。。
旅の行程
出発:2017年12月30日 夜 帰宅:2018年1月1日 夕
12/30 旅立ち 都内〜道の駅(南きよさと)
1泊2日の雪山キャンプの装備を車に乗せ、6人が乗り込む。車はノーマルタイヤ。道中の積雪が不安だが、年末年始は道路に雪がつもることは少なく、いざとなったら用意したチェーンを巻けば大丈夫と判断して挑んだ。実際目的地の2km手前まで道路に積雪・凍結は無く、ことなきを得た。
夜出発で大晦日の朝から歩き始める計画だが、朝の出発準備を雪の上で行うのは非効率と考え、手前の道の駅で準備することにした。道の駅に車を止め、皆で仮眠を取ることに。
早速、今回利用したバンコンタイプのキャンピングカーをフラットの2段ベッドにトランスフォーム。6人が足を伸ばして寝れる快適性に驚き。人気の理由も頷ける。
また、車の中は、バッテリーと少量のガソリンで動くヒーター(FFヒーター)が付いており、エンジンを切っても暖かく眠ることができる。さらに窓にはカーテンがあるため、それをすべて閉じると車内温度の低下を抑止できるのでかなり効率的。あまりの快適さに、あろうことか寝過ごしてしまったのだが・・。
12/31 登山開始 南きよさと〜稲子湯ゲート
小海リエックス・スキーバレー辺りから路面は凍結しているようだ。早速チェーンを装着。そこから駐車場までは2km程度だったが、完全な雪道。チェーン装着+20km/hの安全走行で無事通過。駐車場は15台ほど駐車できるスペースがあるが、車体サイズが大きいので、駐車位置には人一倍気を使った。
稲子湯ゲート〜本沢温泉
11:00出発。雪山の装備を装着するのに想像していたよりも時間がかかる。スパッツ(ズボンの裾から雪が入らないようにするためのもの)の装着や、ザックの位置調整、忘れ物が無いかのチェック。中学生にしてみたら初めての体験だらけなので、全く勝手がわからず一つ一つ説明していく。
40分ほど比較的平坦な雪道を歩く。そして、尾根の取り付きからは一気に標高差600mを登っていく。所々休憩をはさみながら、2時間20分でしらびそ小屋に到着。朝何も食べなかった子供たちは腹ペコで動けなくなってしまっていたらしく、趣のある山小屋でラーメンを頂くことにした。
しらびそ小屋から本沢温泉までは標高自体はあまり変わらないものの、若干のアップダウンがある。ルート上は危険箇所がほとんど無いため、安心して子供たちを自由に歩かせることができる。もちろん、視界から外れるのは道迷いに繋がるのでしっかりと捉えておく。
15:30 本沢温泉キャンプ場到着
殆どの登山者は本沢温泉の小屋に宿泊しているらしく、テント泊は我々のみ。軽く雪を整地して平らにしてからテントを設営する。冬のテント泊では、一般的には外張りと言われるものを使うのだが、この場所は風もほとんど当たらず、気温も-10度程度とそんなに寒くないことからフライで代用とした。
テントは2つ。エスパースの2・3人用と4・5人用。小さなテントに中学生3人を入れてみたものの、片付けのできない彼らにはテントが狭すぎる様子だったので、やむなく子供1人を大きなテントに移動させる。
気付けば時間は17時を過ぎ、辺りは暗くなってきている。そそくさと夜ご飯の準備を開始。今晩のメニューは、鶏鍋と〆ラーメン。大きなナベに具材を全部入れて煮込むだけの簡単料理。冷えた体に熱々の汁が染み渡り、とにかく旨い。6人であっという間に大きなナベは空っぽに。
そして、食後にはそのナベを使ってポップコーンを作る。油を引きポップコーンと塩を入れて火にかけるだけ。しばらくするとポンポンと音を立てながらポップコーンができていく。音がしなくなったら完成だ。
ところで、雪山キャンプで重要なのは床の断熱。大きめの銀マットを隙間なく敷き詰め、その上の個人用のエアーマットを敷く。空になったザックは、テントの脇において背中やお尻が直接テントに触れないようにしておくと寒くなりにくい。そしてもう一つ大切なことは、靴はかならずテントの中にしまうことだ。
20:00 就寝
明朝(元旦)は4時に起床し、ご来光を見行く計画だ。今回は冬用の寝袋を持参したので、おそらくそれほど寒くないだろう。
1/1 6:30 硫黄岳〜本沢温泉〜稲子湯
予定通り起床。皆で暖かいスープを飲み簡単な朝ごはんとした。ご来光を見るためには硫黄岳に登らなくてはならない。夏沢峠からだと、前方に見える稜線で太陽が遮られてしまう。
稜線上のクラスト(凍った地面)にアイゼン(鉄の爪)をつけて歩みを進めていく。安全面を考慮し、頭にはヘルメット。中学生男子3人はハーネス(腰に付ける安全帯)。それを前後大人2名でロープに固定して進む。これなら万が一転んでもなんとか止めることができるだろう。
と計画していたものの、残念ながら、天気は良いのに肝心の硫黄岳山頂はガスがかかっていて目視できない。天気予報では風がとても強いそうだ。結局、夏沢峠手前で引き返すこととする。ご来光は拝めなかったが、これもまた旅の醍醐味。気にせず次のご褒美を探しに行こう。
8:00 本沢温泉 野天風呂
ここは日本最高所にある野天風呂(標高2150m)。日本の秘湯と呼ばれるところの一つで、沢沿いにぽつんと湯船があるだけ。この日の気温は-7度。他の入浴客が一人も居なかったので、大自然の中素っ裸になって温泉にしばらく浸かる。元旦の早朝からこんな最高の温泉に入れるなんてなんて贅沢なんでしょう。しっかり体が温まったら、一気に体を拭いて服を着込む。それほど寒くは感じなかったな。
9:00 キャンプ場でテントの片付け
キャンプ場に戻りそそくさとテントの片付け。風が当たらないため、テント内の荷物を外に出して整理することができた。
早朝から行動していた子供たちはお腹がペコペコの様子。雪の上でガスコンロを出してお湯を沸かし、ラーメンを食べる。前日のお昼ごはんとして持ってきていたオニギリが凍っていたが、ラーメンの中にいれて食べたらとても美味かった。
10:00 下山開始
下りルートは足を滑らすと危険なのでアイゼンを装着したままで進む。子供たちもアイゼンの威力を十分に感じ取ったらしく、「これスゲー」と喜んで歩いていった。身を以て危険と安全を理解させるのも重要なことだ。
13:00 稲子湯
全員怪我もなく無事車まで帰着。雪山用の靴を脱いでザックを車に押し込み温泉へ移動。駐車場から稲子湯までは車で5分ほど。これまた趣のある温泉宿で温泉に浸かり汗を流して体を温めることができた。
稲子湯〜都内
路面凍結区間が終わったのを確認したら、チェーンを外す。金属チェーンはとても取り外しが楽でよい。最初に絡みをしっかり取ってあげれば簡単に付けることができる。実際、装着に10分。外すのに5分ほどで完了することができた。ジャッキアップする必要もないタイプだったので、この時期ノーマルタイヤの場合は必須だ。
元旦から中央道は渋滞している。でもドライバー以外はとても快適な車旅。後部座席は別途のような快適さで、もちろん皆熟睡の模様。
それぞれの自宅に送り届け、車を返却して今回の旅を安全快適に終えることができた。快適な車旅、子供達の勇敢な後ろ姿。ラーメンと凍ったオニギリ。温泉と雪中キャンプ。どれをとっても、素晴らしい2018年を予兆させてくれる旅だったように思う。
バンコンを利用してよかったこと
想像以上の収納スペースと快適性を経験してしまった。テント泊のキャンプの場合でも、移動をこの車にするだけで、同行者はかなり快適に過ごすことができるのでは無いだろうか。その中でも特に気に入った箇所を紹介。
運転のしやすさ
一般的なRV車よりも運転時の視界は高く、遠くまで見通すことができる。かなり大きな車だが、しばらく運転して慣れてしまえば気にならない。バックモニターも装備されていたため、駐車場に止めるのもラクラクだ。
USB電源が沢山
全員のスマホ。この充電はとても重要だ。通常のコンセントに加え、USBも装備。充電関連で一切困ることは無かった。
カーテン装備
エアコンをつけていても、外気が低いと車の中は中々温まらない。しかしながら、後部座席には全面にカーテンが備え付けてあるため、寒さを感じることはなかった。
お座敷モード
テーブルを外して4人がゴロゴロできるスペースが作れる。しかも、床下収納によって、かなり沢山の荷物が収納することもできた。
ダブルベッド
2階建てのベッドスペースが作れる。這いつくばって移動することとなるが、足を思いっきり伸ばして6人が寝れるスペースになるのは驚き。クッションも柔らかく、まさにベッド!
今回ご利用頂いたセット
TENTALとは?
TENTALはお手軽かつスタイリッシュにキャンプを楽しむことが出来るキャンプギアレンタルサービスです。
初心者向けキャンプセットから、一度は張ってみたい憧れの幕までラインナップを揃え、みなさまのキャンプライフにスパイスを効かせられるようなサービスを提供していきます。