メディアでも度々話題に上がる昨今のアウトドアブーム。その中でもとりわけキャンプは、第一次キャンプブームなどと言われた、1990年代後半以降減少していたオートキャンプ人口が、2012-13年年頃から再び伸び始め、最近では第二次キャンプブームなどという声も聞かれるようになってきました。
子供の頃に親に連れられてキャンプ場で走り回ったリトルキャンパー達が、数十年後に親となり、あの頃の記憶をほんの少しだけ思い出しながら、フィールドに繰り出す。
一緒になってビショビショになるまで河原で遊び、真っ黒のまま焚き火の前で寝落ち。
別にキャンプに限ったことじゃないけれど、子供の頃の思い出を大人になってから擦るってなんかいいなぁ。
そして最近気になっているのが、昨今のキャンプ人気の理由の一つでもある「オシャレギア」「フォトジェニック」などのキーワードです。
フリーサイトに週末キャンプに出かければ、国内外の人気ブランドギアを軸に構成されたオシャレなテントサイトが沢山。カタログから切り抜かれたような素敵なレイアウトに、見たこともないギアの数々。キャンプ好きのみならず、ガジェットやファッション好きな人にとっても興味津々の世界が広がっています。
例に漏れず僕もギアやガジェットが大好き。カンブリアンランタンからバイオライトに至るまで、それぞれが持つバックストーリーや尖った機能性を感じると、本当にワクワクしてしまいます。新しいギアを持ち込む前日は、「どのタイミングでこいつを登場させてやろうか」と、登場シーンから設計を始めるのが最近のマイブームだったり。
そんなことを考えながら、子供の頃のキャンプの記憶を思い返してみると、どんなテントを使ってたかなんて一つも覚えていないことに気が付きました。メインのテントを覚えていないのだから、その他のギアなど当然に覚えてなどいません。
もしかしたら、あの頃ギアを揃えていた父親は、今の僕と同じく、新しいテントを使う日は心の底からワクワクし、母親に内緒で買ったランタンを「どのタイミングで登場させてやろうか」と考えていたのかもしれませんが・・。
先日屋根裏を掃除した時に出てきた埃まみれのプリムスツーバーナーIP-2290は、あの頃では斬新なデザインだったらしいです。VHSじゃなくてBetaを買い、レンタルビデオ屋で子供を困らせた父親らしい選択だったのかな。
話を戻して、今僕が覚えている子供の頃のキャンプの記憶といえば、「その日初めて会った同年代の女の子と仲良くなったこと」「草薮からマムシが出てきたこと」「毛虫が大量に落ちてきたこと」「飯盒を逆さにして叩いたこと」「薪を探しに暗闇の中、懐中電灯片手に山の中に入って行った父親がものすごく格好良く見えたこと」くらいだったりします。
つまり何が言いたいのかというと、どんなスタイルでも、どんな目的でもいいから、自分のスタンスで一緒にキャンプに行くってことが大事なんだな。っていうこと。オシャレでもいいし、コンビニ弁当でもいいし、自己満足でだっていいですし。
そうしていつか、擦ってくれたらうれしいなあ。
そんな風に思いました。