アレンジ力抜群な大人気テント「YOKA TIPI」を徹底レビュー!

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はじめに

今回ご紹介するのは、YOKAから発売されている「YOKA TIPI」というワンポール型のテントです。2020年の発売以降、そのデザインやサイズ感からとても大人気のテントです。今回はこのテントの魅力について、約1年半使用した私の感想を含めてご紹介したいと思います。

YOKAとは?

まずはYOKAがどのようなブランドなのかご紹介します。

YOKA(Your Official Key to Adventure)は、「豊かな人生は、豊かな休日から生まれる」といったコンセプトのもと、使い勝手の良さ、高い耐久性、上質なデザイン、YOKAがあることで休日がアップグレードされていく」といったプロダクツ作りを目指したブランドです。

元々は組み立て式木製アウトドア家具を中心に展開されており、テーブルやシェルフ、椅子などを幅広く展開されていました。そんなYOKAがアウトドアブランドとして焚き火台を発表。その後テント作りに携わり、満を持して発表したのがシェルター型のワンポールテント「YOKA TIPI」です。

また現在はメッシュ型の焚き火台、タープ、スキレットやナイフなど幅広い商品展開と男性・女性問わないデザイン性から高い人気を得ている総合的なアウトドアブランドです。

YOKA TIPIの基本スペック

テントの基本的なサイズと標準装備の詳細です。

  • 本体素材:40Dリップストップナイロン(表面シリコン、裏面PUコーティング)
  • 煙突部素材:シリコン+グラスファイバー耐熱布
  • ポール素材:カーボン
  • 重さ:約1.8kg(本体幕+煙突布:1.4kg、ポール:0.4kg)
  • サイズ:W270cm×D270cm×H175㎝ 高さは4段階で変更可能
  • 収納サイズ:55cm×20㎝×15㎝
  • 本体色:ダークカーキ色
  • 耐水圧:2000㎜
  • 生産国:中国
  • 価格:31,900円

※標準装備は本体幕+耐熱布+ガイライン+カーボンポール、インナーテント、ペグは付属しません。

YOKA TIPIの一つ目の特徴は、薪ストーブが使用できるように耐熱布が一部に採用されていることです。この生地は耐熱温度1000℃に対応可能な生地を使用しています。

この他のテントにも最近は「テント内で薪ストーブが使用できるように」と耐熱布が使用されているテントも多くなってきました。しかし、中には耐熱温度300℃や500℃の物もあるようなので、煙突との接触は大変危険です。煙突にプロテクターやバンデージなどの工夫が必要な場合もあります。

その点このYOKA TIPIは耐熱温度1000℃であるため、(数値のみで安心することはできませんが)小型薪ストープやチタン製薪ストーブはそのまま使用でき、少し大きめの薪ストーブでも煙突ガードがあれば十分に使用可能です。煙突直径10cm程度の薪ストーブまでが推奨されているため、最初から8cm程度の穴が開いていますが、ハサミを入れて広げることも可能です。私もハサミを入れ10cmへと広げました。

さらにこの煙突穴にはフタができるようになっており、ストーブを使用しない時期は穴が目立たず冷気や虫の侵入も防げます。

二つ目の特徴は、コンパクトなサイズ感です。総重量は2kgを切り、持ち運びしやすく軽量の部類に属すると思います。コットは両側に置けるようになっていて、最大2人までの使用が可能です。ソロキャンプではコットやインナーテント、荷物などをおいても十分な広さがあり、コンパクトながら快適なサイズ感だと思います。

また、上部にランタンフックが2個付いていることで、片側はランタン、片側は蚊帳を括り付けるまたは一酸化炭素チェッカーを吊るすなど様々な使い方ができます。高さに関してもポールの高さが4段階に調整できるようロック機構がついており、風の強さやテントスカートの使用具合などで高さを簡単に変更できることも嬉しい点です。

色合いはダークカーキ色となっていますが、太陽の光の当たり方やランタンの光によって若干の色合いの変化があります。この点も常に変わった表情を見せるため飽きにくくさせる特徴の一つだなと感じています。また頭頂部のブラックとのトーンの変化、周回するリフレクターなどデザイン性の高さが伺えます。

YOKA TIPIの設営

YOKA TIPIの設営はとても簡単です。フラーシートを前後のジッパーを閉めておいた状態でサイトに広げ、四隅のバランスを見ながら正方形にしていきます。ここから少しテンションを掛けながら4隅をペグダウンしていきます。

片側のジッパーを開いてテント内に入り、ポールを一番低い状態でまずは立ち上げます。この時点でテントの左右や前後のバランスを見て歪んでいないかチェックすると良いと思います。ワンポールテントは設営しやすくても、地面の凹凸などで左右に歪みやすくなってしまうため、ペグの位置など微調整しながら張るとキレイに皴や歪みがなく張れると思います。

そこから風の強さやスカートの長さを考慮しながら、ポールのロックの位置を4段階の中の適切な高さに修正していきます。テントに高さがあれば、若干の室内空間の広さが期待できます。風の強い日は低めのほうが耐風性は上がります。スカートがそれほど長くないため、冷気の侵入などが気になる際は低めの方が良いと思います。

ここまで張ることで自立するため、ペグは最小4本で設営可能です。しかし左右前後の幕のバタつきが気になります。前後の扉と左右側面の中間点の4か所にもベルトループが付いているので、ペグダウンするとさらに安定します。付属のガイラインは6本付いているので、風の強い日や室内空間を広げたい日にはさらにガイラインで引っ張りながら6か所ペグダウンします。ペグは付属されていないため、最小4本~最大14本の準備が必要となります。

次に薪ストーブをテント内に設置する場合についてです。煙突は煙突布の下側からゆっくりと回すように立ち上げていくと穴が広がりにくいようです。使用していく毎に穴が広がりやすかったり破れやすかったりとするので注意してください。また煙突布のカバーは巻き上げて付属フックで固定し、煙突に触れないようにしてください。

YOKA TIPIのフライシートはリップストップナイロンであるため、火の粉の接触により穴が開きやすい生地です。そのため煙突は十分に高さを出すことと、火の粉防止のスパークアレスターなどの対策をオススメします。

ただし風が強い場合は煙突の倒壊の危険もあるため、煙突上部でガイライン2~3本を前後側方などへ伸ばし安定させることが必要であり、私も常に行っています。煙突布の耐熱性能は素晴らしいですが、フライシートとの接触は設営時や薪ストーブ使用時に再度確認し十分に気を付けてください。

慣れればテント自体は10分~20分程度でキレイに設営することが可能ですが、バランスの調整などで時間が掛かってしまうことがあります。YouTubeではYOKAの角田さんが設営や撤収方法をアップしているので、ぜひ参考にしてみてください。

YOKA TIPIの魅力

機能的であり見た目もハイセンスなYOKA TIPI。実際に私が使用してみて気づいた魅力についてご紹介していきたいと思います。

①前後に出入口付きのフライシート

YOKA TIPIには前後に出入口付きのフライシートがあります。見た目で言えばこの点が他のワンポールテントと若干の違いが出ていると思います。

例えば比較的小型のワンポールテントであれば、片側のみに出入口の扉がついておりもう片側は閉鎖的になっている構造のテントが多いと思います(例としてはMSR:FRONTRANGEやONETIGRIS:BlackOrcaなど)。逆に比較的大きめなワンポールテントでは前後に扉が付いていても、左右側面にジッパーが付いていて左右から捲り上げるような扉の構造になっているものが多いと思います(例としてはTent-MarkDesign:CircusTCやOGAWA:Tassoなど)。

このYOKA TIPIは幕前後に扉があり、その中心部にジッパーが付いていることで観音開きになる構造です。他のテントのよりも扉は開いた際にはより開放的に、そして捲り上げた際にはたわみづらくなっていてスッキリと見せることができます。実際の出入りも一つのジッパーで可能なため、より手軽に出入りできます。

開放的なスタイルどころかタープ代わりにもなるほどのテントです。

②幅広いアレンジが可能!

前述のとおり、前後の扉を開放的にすることでタープ代わりに使用することができます。これ以外にも様々なアレンジをSNS上でも多く見かけます。私はポールを1~2本追加し、左右の片側をポールで立ち上げたスタイルがとてもお気に入りです。

少し複雑ですが、長さの異なる2本のポールとガイラインを追加し、一度ワンポールテントの型で設営した後、長い方のポールから片側を立ち上げガイラインで固定しています。風の心地よい日などはとても気持ちの良いスタイルです。また開放的にすることでテント後方から見た景色がとても美しく見え、写真映えします。

また、YOKAのその他のアイテムを使用することで、より快適なスタイルを作ることができます。たとえば、ワンポール用のテーブルTRIPOD TABLE ROUNDは、テント内での食事やデッドスペースの解消にとても便利なので毎回使っています。

YOKAのPUP TARPはとても便利でハイセンスなタープです。捲り上げることで薪ストーブの使用を干渉せず、そのまま簡易的なPUP TENTとして使用することも可能です。

YOKA TIPIの頭頂部にはカラビナなどで接続可能なループがついているので、簡単にタープを組み合わせて使用することができます。ちなみに私はPAAGO WORKSのninjatarpsnow peakのペンタシールドを前室変わりに接続し使用しています。

このようにテントそのものや付属品によって、様々なアレンジの幅が広がることが私の一番のお気に入りの魅力です。

③リフレクターの存在

テントをぐるりと囲うリフレクター。これは区画サイトであればそれほど困ることではないと思いますが、広いフリーサイトなどでは遠くからでもライトの明かりに反射するため、テントの位置をとても見つけやすくなります。最近のキャンプ場は週末などがどうしても混雑してしまうことがありますから、夜間に他のテントと差別化することにおいても非常に機能的なテントです。

④安心して薪ストーブの使用ができる

薪ストーブの使用は自己責任となりますが、これほど簡単に設置でき安心できるテントは少ないと思います。テントによっては最近は薪ストーブを接続できるような煙突口のあるテントも出始めていますが、耐熱温度が200~300℃の煙突布を使用したものが多いです。

YOKA TIPIは耐熱温度1000℃で、かつフライシートに触れないような工夫もされているので比較的安心して使用することができます。換気窓は2か所あり、上部にはランタンフックが2個ついていることでランタン+一酸化炭素チェッカーの使用場所に困りません。冬に1~2人でリビング代わりに使用し暖を取りやすいテントです。ただしあまりサイズの大きくないテントであるため、薪ストーブの燃焼率や換気には十分注意をしてください。

⑤快適な居住空間

YOKA TIPIはソロ使用時、コットやシェルフ、ラックなどの配置のアレンジをしやすいサイズ感でとても居心地が良いと思います。高さが175㎝あることで、若干屈む程度で移動可能です。テント内に籠っても比較的広さを感じます。

コットはローコットのみでなくハイコットも使用も可能です。また、地べたにグランドシートを敷いてマットを置くなど、地べたスタイルにも合うテントです。気分によってサイトコーデを変更しやすく、飽きが来にくいと思います。

YOKA TIPIの弱点

どのテントにも弱点が必ず存在するものと思います。その点を許容できるか、工夫できるかがテント選びには必要だと思うので、私の使用感から弱点や対処法もお伝えします。

①カーボンポールの不具合が多い

カーボンポールは軽量化に貢献しているもののしなりやすく、あまり風の強い日にはむきません。私の場合はロック機構の故障があり、友人は折れてしまったとのことでした。ワンポールテント自体は風に強い構造のはずが十分に機能を発揮できません。よって海沿いや天候によってはYOKA TIPIを持っていくかどうか考えなければいけません。

メーカーに問い合わせたところ無償で交換していただけたので、アフターフォローはしっかりとしています。この点はありがたいところです。

なおカーボンの品薄状態から、次回ロットからはアルミポールに変更になると発表されました。

②テントのペグループにテンションコードがない

4隅をペグダウンしてからポールを立て自立させますが、このペグループにテンションコードがありません。よってキレイに張り上げるためにはペグの位置が重要になります。多少歪んでいてもテンションコードがあれば修正しやすいですし、そのような機能のテントも多いためこの点も残念な点です。

またペグループの縫い付け方の違いが若干あり、ペグループの破損が一時期多かったようです。この点はYOKAの角田さんも仰っており、無償交換などの対応で現在この問題は解消されているようです。

一度キレイに張ってからフライシートが少し伸びてくるため、ちょっと時間をおいてから再度ペグの位置を修正するとキレイにピンっと張れます。

③撥水性の低下

雨などの天候では水が染みることがあり、撥水性の低下が比較的早期にありました。内部シートの撥水性は良いとのことで、中にまで染み出すことはなく、シームリングもしっかりされています。よく乾かし撥水スプレーを吹きかけると、ある程度復活してきます。雨に弱いテントであるとは思いませんが、比較的強いテントでもないようです。

④結露問題、虫問題

YOKA TIPIには、インナーテントが付属されていません。シングルウォールテント全般の問題ですが、基本結露は多くなります。薪ストーブ使用時は比較的気になりませんが、気温差の激しい春や秋の季節は多くなりやすいです。ダウンシュラフなどはシュラフカバーを使用し、結露によって機能低下しないようにしています。

また夏場は虫対策が必要となります。インナーテントの使用や蚊帳とコットを併用することである程度対策ができます。インナーテントはソロ用の自立するテントのインナーであれば概ね入れることが可能だと思います。

おわりに

今回はYOKA TIPIの使用感や魅力、弱点についてご紹介させていただきました。弱点もあるもののそれを補うほどの魅力があり、コストパフォーマンスとしては4シーズン使用できることでとても良いテントであると思います。

是非皆さんにも昼間の太陽の当たり方によっての異なる色合い、夜のリフレクターの輝き、夏の開放的な張り方や涼しさ、冬に薪ストーブを使用しヌクヌクと暖まりながら過ごす楽しさ、様々な場面でYOKA TIPIとキャンプを一緒に満喫していただけたら幸いです。

この記事を書いた人

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